【短編集】その玉手箱は食べれません



「なぜなんだ?アルキメデス?」

 男はおれ様の名前のようなものを呼んだ。


「おれはおまえを完成させたいだけなのに……」


59……60……61……62……63……64……65……


『それがおれ様の名前なのか?』

 思わず口を利いてしまった。


「やっと喋ってくれたな」

 男が振り向いた。不快なニオイのしない整髪料で固めたオールバック、頑固そうな奥深い目は凛とした威厳が漂う。