「嘘って、フフッ……見れば一目瞭然じゃない」

 元カノは笑いながら話す。


「どれだけの人間が死んだんだ?」


「さぁね、地下室のような密閉された空間にいて風に触れなかった人達は助かったんじゃない。私達がいた地下室は破綻して営業停止しになったゴルフ場の地下にある核シェルターだったの。運がよかったわ。他の部屋にはテレビやラジオもあったからニュースも見れたし、危険だと思ってずっと外に出なかったのよ」


「そ、そんな」


「不思議なウィルスなの。感染すると体の左側が腐っちゃうんだって、ドロドロにね」


「そのウィルスはどうなったんだ?」

 おれはゆっくり元カノのほうに首を回転させた。