明日を見て 〜頑張れ、横山!〜

そんな事があったのに、
それでもたまに家に遊びに来る事もあったから、

あんた気まずくないの?と昔、瑠依に聞いた事がある。

「なんでー?」 と。

相変わらず抜けてる弟。
まぁ、それはそれで可愛いけどね。



「だって近くにいたら、とられちゃうかもでしょ?辰巳格好いいんでしょーヒーローとか言ってたじゃん(笑)」


そう、昔こいつがイライラしてる時、
死ぬ程酒飲まして……
軽く救急車呼びそうになったとかは親には内緒(笑)


「まーねー。辰巳は格好いいよー。でも、そっかー。うーん。でも俺は凪が好きだし、凪もそうだから、いいんじゃない?」

いや、良くねーだろ?
だから寝取られるとか、考えないのか?


「ふーん、心配じゃないの?」

「えー。でも、辰巳も好きだしなー。あいついいやつだよ?」

「あはは。瑠依ちゃんはいい子なのね(笑)」


ダメだ。
まぁ、いいや。寝取られてから、泣けばいいさ。

そんな意地悪な事を思っていたけど、
全然、いつまでたっても瑠依と凪ちゃんはただのばかっぷるだった。

まぁ、付け入る隙も作らないって事ね。
幸せなこった。


でも、辰巳はどうなんだろな……。瑠依といて、昔好きだった女を前にして、どんな気分なんだろ……。


そんな事が頭にありながら、
まぁ、所詮弟の恋愛なんて美味しい酒のつまみくらいになれば言い訳で、特に干渉もしてなかったけど。



あの日、たまたま、いたのが、
その辰巳で。

しかも、酔って、
捲し上げる私に向けられた

「明日」という、その言葉は何故か私の心にストンと落ちた。