1年クラスの前にある掲示板に、人が集まり始めた。


どうやら、2年のクラスが発表されたのだろう。


「うわー、ついに発表されてるっぽいね。」


とエリカは携帯をいじりながら言った。


「どうしよう、知ってる人が誰もいなかったら。」


「ミキは大丈夫だよー。誰からでも好かれる性格してるもん!」


「あれー??ヒカリちゃんは私に何買って欲しいのかな??」


「シャネルの香水よろしく!」


正直、私たちにはクラスなんて関係ないのだ。


顔面偏差値と好感度の高い私たちがどこのクラスに入れられたって、


私たちと友達になりたくて、気に入られたくて


女子からも男子からもチヤホヤされて、


『特別』という席を勝手に用意してもらえるのだから。


「ちょっと、あたし見てくんね!」


とヒカリは席からサッと立って掲示板を見に行った。


「絶対ヒカリが見に行くと思った。」



エリカがそう言うと「だねー」と私も掲示板の方を見ながら言った。



ヒカリは目を輝かせてこっちへ駆け戻ってきた。


「ヤバい、ちょー嬉しい!」


「それって、ヒカリだけ??」


私は何か嫌な予感がして聞いた。


「いや、あたしとエリカだけ。」


「ってまさか、、、」


「そう、ごめん!ミキ!


あたしとエリカは同じクラスなんだけど、


ミキだけ違うの!」


「え!てか、うちら一緒のクラスなの??」


「そーなの!」


落ち込む私をよそに、二人は喜びを爆発させていた。


「って、二人喜び過ぎなんだけど!!」


「ごめん」「ごめん」


嬉しさのあまり、声のトーンが高い謝罪が二人の口から同時に出た。



まぁ二人とは離れるのは少し寂しいけど、全然平気だ。


なぜなら私は『特別』という席に座ればいいだけなのだから。






と思っていた私に、この後最悪な出逢いがあることを知るよしも無かった。