**-- Two --**



薬局から戻って一息つくと、なんだか眠くなってきた。


昨日は結局あまり寝れなかった。眠る前に見た最後の時刻は午前2時くらいだ。そしてさっき起きた時刻は午前6時。4時間くらいしか寝ていない計算になる。


ワタシは、部屋の暖かさと飲んだカゼ薬の効果、それと寝不足の三重奏で、机に伏したまますぐに眠ってしまった。


・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆・:*:・゚'★,


ブー、ブー、
ブー、ブー……。


どれくらい眠っていたんだろう。ブーブー鳴り続けるケータイの音と振動でワタシは目を覚ました。


「……はい」


ワタシは通話ボタンを押して電話に出た。


「こちら『ニコニコ引っ越しセンター』の者ですが」


――あ、引っ越し屋さんか。


「はい。どうも、お世話になります」

「小峯栞(コミネ シオリ)さんの携帯電話でよろしいでしょうか?」

「はい」


――あー、その張り切ってる声、やめてくんないかな。頭に響くんだけど……。