空を祈る紙ヒコーキ


 そして気付いた。私は何よりこの二人のことを好きになっていたんだって。お母さんの小言から助けてくれた空。私のことを好きになってくれた愛大。私も二人を大切にしたい。

「分かったよ。私なんかでいいなら……」

 自信なさげな声になってしまうのが性格なのか。やったことのないことに飛び込むのはこわい。そんな私に二人は変わらず明るい表情を見せていて、そのことでやっとホッとできた。

「大丈夫だよ。アタシもまだまだ勉強中だし、楽しんでこ!」

「そうそう! 音楽は楽しんでやるもの。魂込めてな」

 魂を込めて。空の言葉には大きな説得力があった。マンガを描くのと同じくらいバンド活動も空の大切なものなのかもしれない。


「バンド名大事ですよね。生徒会長が前にやってたメンバーの時のままいきます?」

 愛大の言葉に空も思案する仕草を見せた。

「前のバンド名には前のメンバーの思い入れがあるから、俺達は俺達で新しいバンド名をつけよう。涼も愛大もその方がより愛着持ってここで活動できるだろうし」

「そうですね。涼もそれでいい?」

 話を振られ適当にうなずいた。やっぱりバンド名って大切なんだな。この話になったとたん愛大と空の声音には鋭い熱がこもった。

 私は二人に訊いてみた。

「バンド名ってどうやってつけるの?」

「アタシがやってたバンドはラズベリーって名前だったよ。恋愛の甘さや切なさを歌ったオリジナル曲をメインに演奏してたから、恋する気持ちをフルーツにたとえて」