空を祈る紙ヒコーキ


 私だって学校のテストは学年トップに近い点数を取っている。そこだけは自信がある。なのにお母さんは暁ばかり褒める。私のことなんて本当の意味で認めてくれない。

 そんな家にいるのも嫌で、かといって出かける先のアテもなく、ネットカフェへ行った。お母さんには図書館で勉強すると嘘をついた。


 元々いい気分ではなかったけど、男に邪魔をされたことでますます気分が悪くなった。まだ時間が残ってるけど早めにネットカフェを出た。

 タイミングよくアミルから電話がかかってきた。

『涼(すず)、今ヒマー?』

「うん」

『じゃあ今から遊ぼ!』

「いいよ」

 アミルとは小学校から同じだったけど、話すようになったのは中学生になってからだ。中学の三年間ずっと同じクラスだったので、誘われれば一緒に遊んだりする。でもあまり好きじゃない。

 電話で言われた待ち合わせ場所に行くと、アミルの他に知らない女子が二人いた。他校生だ。アミルは人当たりが良くて明るい。それもあってやたら顔が広く、学校以外にも色んな知り合いや友達がいる。