空を祈る紙ヒコーキ


 空の見せてくれた虹が綺麗で、水しぶきに輝く太陽の光もキラキラしてて、そんな場面で笑わなきゃもったいない。

 何より、空も笑ってる。私のそばで楽しそうに。

 こうしていると、今日体育館の壇上で話してた生徒会長だとは思えなかった。空のことなんて別にどうでもよかったはずなのに、彼のそばで過ごす時間は不思議と心地良かった。もっとこうしていたい。


 制服の袖口とお腹辺りが濡れてしまっているのも気にせず空は蛇口を閉めた。虹が消える。気付かないうちに細かい水滴を浴びていたのか私の制服も少しだけ濡れている。

「空、ずぶ濡れじゃん」

「別にいいよ。このくらい」

 涼が笑ったから。そう付け足し、空は私をベンチに促した。本当に濡れていることなんて全く気にしていないらしい。私も気にならなかった。それより自分の頬が熱いことの方が気になった。

「なんかさっき微妙に避けてた?」

 鋭い。空は気付いていた。

「だって、生徒会長とかバンドとか、聞いてないし」

「言ってないし」

 空はわざと私の口調をマネし、その後あははと豪快に笑った。

「スネてたの?」

「誰が」

「涼」

「拗ねてない」

「嬉しい。俺に興味なきゃそんな態度しないだろうし」

 私が拗ねていると決め付けて空は満足げに笑った。