空を祈る紙ヒコーキ


 廊下に整列する時、愛大とは離れた。席は近いけど出席番号順に並ぶと私と愛大の間には何人かの人が入る。愛大は列の中間、私は後ろの方だった。

 中学からそのまま上がってきた感じの生徒ばかりの中で派手な愛大の外見は目立った。校則が緩いと聞いていたし担任も愛大に気付きつつ注意したりはしなかったけど、それでも彼女はやりすぎな気がする。

 よく高校デビューでガラリと変化する子がいるっていうけど、人一倍人目が気になる私には無理だと思った。高校デビューするためのお金や環境を与えられていたとしても。

 愛大は近くに並ぶ女子ともすでに一言二言交わしていた。愛大の容姿に惹かれたらしい、数人の男子も彼女に絡んでいる。見るからに明るい彼女は誰にでも好かれるタイプなんだろうな。私なんかに話しかけてきた理由がやっぱり謎。


 入学式、体育館に集まった全校生徒を見て、だんだん新生活への実感が湧いてくる。三年間、私は雑に選んだこの学校に通わなきゃいけないんだな……。

 思い出したくもない受験の失敗が嫌でも脳裏に蘇った。息苦しい。逃げ出したい。私はここにいるはずじゃなかったのに。


 教室で話していた皆も、体育館に入ると静かになった。入学式用に椅子が並べられていた。体育館の匂いが中学の時とは違う。

 全校生徒が集まると、初老の男が壇上に上ってきた。校長だ。

「皆さん、入学おめでとうございます」

 新入生に向けた校長の言葉。祝いの言葉なんてありがた迷惑だった。ここに私と同じく滑り止めで入った生徒は何人くらいいるんだろう。私だけだったりして。