空を祈る紙ヒコーキ


「すげーな。参考書ばっか! 勉強好きなの?」

「……さあ」

 そう訊かれると分からない。言葉に詰まった。好きって気持ちより生きる手段と思っていたから。

「マンガばっかりの俺の部屋とは大違いだな」

「そっちはイメージ通りの部屋っぽいね」

「やっとこっち向いた!」

 空は嬉々とした。それが悔しくて、私は空に背中を向けた。公園の時もそう。コイツと話してるとペースが狂う。

「邪魔。あっち行って」

「涼がそういう風なの、お母さん見て分かった気がする」

「え……?」

「どっちかっていうと涼よりお母さんが甘えてるよな。だから涼はしっかり者にならなきゃならなくなったっていうか」

 お母さんが甘えてる? そんな風に思ったこと、なかった。

「ま、俺も涼のお母さんと会うの三回目くらいだし、分かったようなこと言えないけどな」

「三回!? よくそれで再婚許したね!? 信じらんない……」

 変な男だと思ったけど、空はやっぱりおかしい。

「そういう涼も、今日が父さんとの初対面なのにこうして再婚受け入れてるじゃん。同じでしょ」

「同じじゃない。アンタと一緒にしないでくれる?」

「ははは。それもそうだ」

 空は朗らかに笑った。