「涼が書いたの?」
「アタシと涼の合作だよ〜。初の共同制作っ。詩なんてまともに書くの久しぶりだけどすっごい楽しかった!」
愛大は満足げに笑った。
私達の顔と便箋を交互に見て、空は口を開いた。
「俺には宝来っていう幼なじみがいたんだ」
「聞いたよ。部屋の写真にたくさん写ってた人? 大事な思い出なんだね」
「……部屋の写真は自分の犯した過ちを忘れないための戒め。思い出なんて優しいものを残す資格俺にはない。それでもうっかり日常を楽しんでいることに気付いて自分が赦せなくなる。そんな時はここへ来るんだ。子供の頃アイツと遊んだこのプールへ」
空はゆっくりプールサイドへ腰を下ろした。私達も空の真似をし彼の隣に並んで座った。最近いつもそうだけど、このメンバーで横並びすると必ず私が真ん中になる。
「……死んだら親を悲しませる。それだけは分かる。だったら死なずに罰を受けよう。宝来が死んだ時にそう決めた」
「アタシ達プレジャーディレクションを解散させたくない。生徒会長が引退するまで三人で活動したい。宝来君と何があったんですか?」
「宝来はイジメにあってることを俺にも隠してて、死ぬ直前まで親の前でも明るく振る舞ってた。
俺達は中学入学と同時にスマホを持てることになって、それからはツイッターを通して近況報告しあうようになった。自分専用のスマホで自由にネットできることが楽しくて、お互いどうでもいいことつぶやきまくってた」
それが、中二になる頃、宝来君のツイッターは静かになった。

