「ちゃんと受け取って中見てね!」
「えっ!?」
私達の登場には淡々としていた空も突然紙ヒコーキを寄越されたことにはひどくビックリした。紙ヒコーキはスーッと気持ちよく直線を描き空の胸元へ飛んでいく。かと思ったら、直前で進行方向を変えプールの水面目掛けて急降下した。
「わっ、ダメ、落ちるっ!」
情けない声を出し、空は腰を深く曲げ紙ヒコーキを見事キャッチした。水面につくギリギリのことろだった。
「よし! 中の字、にじまずにすんだ!」
愛大が飛び跳ねた。私もホッと息をつく。
「こんなところで飛ばすなんて危ないだろっ。水に浸かったら読めなくなるところだった。せっかく書いてくれたのに」
空はブツブツ言いながら紙ヒコーキを便箋の状態に戻し、中に書いてある詩を読んだ。
プールサイドで飛ばすのは予想外だったけど水に濡れてしまっても大丈夫。心の中だけで言い、空には教えてあげないことにした。私は愛大と目を合わニヤニヤした。紙ヒコーキに書いた詩は私達のスマホのメモ帳に書き写してある。タクシー移動の時間が長くて助かった。
詞にしてはまとまりがないし、歌にしても長すぎるかもしれない。それでも私達は紙ヒコーキに書いた言葉を空に届けたかった。
読み終えると、空は泣きそうな顔になっていた。
「これ……」
「自信作だよ」
私は胸を張った。空に伝えたいことは山ほどあるのでまだまだ書き残した言葉があるような気もするけど、最も重要なことは全部書けたと自負している。

