空を祈る紙ヒコーキ


「まず記憶だよね。これからバンドやってくにしても、いつかそれぞれ別の道に進んでいく。記憶がなくなるって生徒会長にとっても困難だと思うし何とかしてあげたいよ。それで実際涼も寂しい思いをしてるわけだし」

 私がうまく口にできない想いを愛大は察してくれているようだった。

「調べてみよ。生徒会長のこと」

 愛大はスマホを手にし、空のツイッターにアクセスした。入部届を出した後、愛大は空のアカウントを検索してフォローしたらしい。空もフォロバしたみたいだけど今まで二人はツイッター上で個人的なやり取りをしたことがなくそのままになっていたとか。

 私はこの時初めて空がツイッターをやっている可能性があることに気付いた。同じ家の中にいると案外そういうものに目がいかない。

「生徒会長たまにつぶやいてるけど宣伝のためだけのアカウントみたいで、バンド関連のツイートしかしてないんだよね。だから遡って過去のツイートも見てみよっ。そしたら記憶の件で何か手がかりになりそうなつぶやきが見つかるかもしれない」

「それいいね! 何で今まで気付かなかったんだろ」

 名案だ! ツイッターは私達が小学生の頃にはすでにコミュニケーションツールとして有名だったし、もし空がその頃からアカウントを持っていたとしたら記憶に関するつぶやきも出てくるかもしれない。

 しかし、時間をかけて遡った甲斐もなく、どれだけたどってもそれらしいつぶやきは見つからなかった。

「最近はけっこうバンドの宣伝してるけど、三、四年前は全然つぶやいてないね、生徒会長」

 愛大もお手上げ状態だった。