空を祈る紙ヒコーキ


 愛大なら信じられる。この子は今まで出会ってきた女子じゃない。愛大は愛大だ。過去に私を面白おかしく傷つけた同級生達とは違う。好奇心と興味本位で噂になんてしない。

 それが分かったら堰を切ったように言葉が出てきた。

「実の父親と離婚してからは弟と私の母子家庭だったんだけど、私の高校入学に合わせてお母さんが再婚したの。再婚相手の息子が空だった。本当は再婚を知らされる前に空とは一度会ってるんだよ。空は覚えてないみたいだけど」

「そうなの!?」

 家の事情を聞いても愛大は平然としていた。それより空との初対面が親の再婚時期より早いということの方に驚いていた。

「どういうこと?」

「……軽蔑されるかもしれないけど全部話すよ。じゃないと空との初対面のことは説明できないから」

 中学時代まで人間関係で苦労したことや親の影響で好奇の視線にさらされたこと。暁ばかりひいきし私には感情的に怒るお母さんの理不尽さ。そんな中、たまりにたまったストレス発散のためにネットカフェのパソコンで裏サイトにアクセスし同級生達の悪口を手当たり次第に書いていたら、偶然部屋を間違え入ってきた空に見られ注意されたこと。

「最低なんだよ、私」

「でも、もうやめたんでしょ?」

「そうだけど……」

「だったらいいじゃん、もう」

 愛大はさっぱり言い、私の汚さを受け止めた。元からおおらかな子だと思ってはいたけど、裏サイトの件はさすがに引かれると覚悟していたので驚いてしまった。

「寛大だね。心広すぎるよ、愛大は……」

「だって、過ぎたこと責めても何も生まれないし、涼もアタシも嫌な気分になるだけじゃんね。だったら反省や後悔を未来に生かす方がずーっといいよ」

「理屈はそうかもしれないけど……」