「生徒会長が卒業した後も、できることならこのまま卒業まで涼と一緒に楽しく部活やっていきたい。でも、それはアタシの勝手な気持ち。涼も同じ気持ちじゃなきゃ意味ないの。もし何かあって悩んでるなら話してほしい。プレジャーディレクションはもうアタシにとって大切な場所だから。涼が一人でつらい思いしてるの嫌なんだよ」
「愛大……」
心配してくれているのはすごく伝わってくる。愛大のこんな切ない顔を見たのは初めてだし、さっき部室であんなことがあったのにごまかすなんてもう無理だろう。でも、どこからどう話していいのか分からない。
どう話をするべきか考えていると、愛大が静かに私の目を覗き込んできた。
「生徒会長と涼、本当の兄妹じゃないんでしょ?」
背筋がヒヤリとした。血の気が引いていく。
「知ってたの?」
「知ってたっていうか、二人の様子見てたら兄妹ではないかなって」
「気付いてたんだ……」
黙っていれば分からないと思っていたけどそれは間違いだった。部活を通してあんな身近にいたら、愛大でなくても本当のことに気付く。
「いつ話してくれるのかなーって待ってたよ」
「引かない?」
「引かない。っていうかアタシだってさっきの話するのかなりこわかったんだからね!? 自分が男に好かれた話とか普通言えないし! モテる自慢みたいに思われたら嫌だし!」
愛大は大きくため息をついた。
そうだ。自分のせいで関係が崩れたバンドのことを打ち明けるなんて勇気がいるし、それだけ愛大は私のことを信用してくれているということだ。それに、私が相談しやすいよう愛大はあえて自分の話を先にしてくれたのかもしれない。

