空を祈る紙ヒコーキ


 付き合えなくても好きでいられればそれでいい。空もそんな感じの気持ちなのかもしれない。

 だったら私は妹として、部活の後輩として、プレジャーディレクションのボーカル兼作詞家として、空に接しよう。

 書き上げたばかりの詩に興味を示す空に、私は調子を合わせることにした。

「あー、うん。記憶だけじゃ足りないからリアルさを出すために昔の日記読み返したりするし、普段から思い付いたフレーズはその場ですぐスマホにメモするようにしてる」

「例えばどんな?」

「友情系書く時は日記に書いてある友達のこと思い出したり、愛大との会話やクラスの子達の様子見て参考にしたり。まあ、中学の頃までは友達って言える友達ゼロだったから友情ものの詩は愛大を参考にしてる部分が大きいけど。あ、これも今だから話せることなんだけどさ」

 私は中学時代のことを簡潔に話した。アミルとは主従関係みたいな仲だったこと。学校で嫌がらせを受けていたこと。親みたいな大人になりたくなくて必死に勉強を頑張ったこと。ストレス発散のため裏サイトにアクセスしていたこと。

 前だったら絶対話せなかった。私を好きになってくれた人に自分の悪事を隠しているのは心苦しいので不都合なことも全て打ち明けた。これで嫌われてしまっても自業自得と覚悟を決めて。

 私が話している間、空は神妙な面持ちで相槌を打っていた。

「ごめんな。涼の苦労も知らずさっきはひどいこと言った。殴っていいよ」

「もういいって。空の気持ちを知って嬉しかったから。忘れるよ」

「嬉しいってどういうこと?」

「だから……」

「……」