こんな形で告白して困らせたと思ったのか、空は謝った。
「いきなりごめん。驚くよな……」
「驚くよ。普通に」
「だからってどうしたいとかないから」
どうでもいい雑談でもするような口調で空は言った。
「今まで通りでいい。よろしくな」
そういうものなの?
空の切り替えの速さについていけなかった。言われっぱなしのままぶった切られてこっちも困る。
「伝えるだけで満足したっていうか。涼に対して何も望んでないから今の話は忘れて。今後、さっきみたいに嫌なことも言わないって約束する」
「はい!?」
好きな人に告白されて忘れられるわけがない。最後の締めくくりが軽すぎる。空にとって私への気持ちはしょせんその程度ってこと?
何て言っていいか分からず絶句する私とは逆に空はスッキリした顔で私の部屋にある丸型ローテーブルに視線を移した。そこには無地のルーズリーフに綴った書きかけの詩が数枚と、創作の参考にしていた昔の日記帳が置いてある。
「へえ。そういうの見て作ってるんだな」
空は私と付き合うつもりはないんだな。私の気持ちも訊こうとはしない。それがいい証拠。一方的に言いたいことだけ言って勝手に引く。
拍子抜けしたけど私の方は告白せずにすんだ。薄情な気もするけどちょっとホッとしたのも本当。

