一見華やかに見える私達の活動に惹かれ入部を希望してくる人もいたけど、空は今年度の新入部員は認めないと言い新たな入部希望者をことごとく拒否した。空いわく、入部を断った理由はバンド活動を軽く考えているにわかファンばかりだったから。
今後入ってくる軽音楽部の主な部活内容はバンド活動ではなく、楽器のメンテナンスや練習所の清掃、部費の管理といった、私達プレジャーディレクションのメンバー三人のサポートだった。バンドをやって目立ちたいという目的で入部希望してきた人達にとって、サポート業務は地味な作業でしかなく最も望まないことだった。
空に入部を断られた人達の口から校内に話が広まったのか、夏休みを迎える頃には興味本位な入部希望者は一切来なくなった。
他の部員が入ってきたら任せようと思っていたサポート業務は今まで通り空がやった。何とかそれで回っていた。
初めの頃は少しきついと思った部活のスケジュールも、夏が来る頃には欠かせない日常になっていた。なくては落ち着かない大切なもの。
プレジャーディレクションの活動が影響して勉強の時間が減ったのでテストの点も少し下がったけど全然気にならなかった。今は勉強よりバンド活動を頑張りたい。
お母さんは相変わらず私にだけ厳しく暁には甘かった。バンド活動に関しても、お母さんは空にだけ理解ある親の顔をし私には無駄なことをするなと怒った。そんなことばかりで腹が立つ存在だったけど夏原さんとは仲良くやっているみたいだし、バンド活動に集中しているせいか前ほどお母さんの言動も気にならなくなった。
アミルからは何の音沙汰もなくなった。電話もこない。LINEをブロックされたことに気付いたのかもしれない。それでいいと思えたし、今が楽しくてアミルのことを思い出す回数は日毎に減っていった。

