空を祈る紙ヒコーキ


「曲作りや音合わせもしたいけど、放課後の練習だけだとだいぶ遅れをとるなー」

「他の部活はすでに夏の大会に向けて本腰入れて練習してますからね〜。アタシ達のバンドは結成も遅かったからしょうがないと思いますけど。それに他の部みたいに大会があるわけじゃないんですよね」

「そうだけど、やるからには満足いく曲作りをしたいからさ」

「なら、休みの日はアタシんちで合宿しましょうよ。もちろん生徒会長と涼が用事ない時だけ」

「いいの? 俺は助かるけど」

「いいですよ。客室余ってるし防音部屋もそれなりに広さあるんで夜遅くまで練習やれますよ。前のメンバーと練習する時もアタシんち使うことが多かったんです」

「へえ! すごいな。助かるよ。涼もそれでいい?」

 話を振られ私はうなずいた。愛大の家にはまだ行ったことがないけど外から見てもだいぶ大きかった。一階分の高さがある塀に囲まれた四階建て住宅。敷地が広いから庭もそうとう広いんだろうし、内装も想像がつかないほど豪華な感じになっているんだと思う。親が金持ちなのかもしれない。


 その後すぐ私と愛大の書いた入部届が学校側に受理され私達は正式に軽音楽部の部員になれた。

 平日の放課後は部室で数時間、学校が休みの日は愛大の家で一日中練習した。受験生であることを重視していないのか空は週に二、三日ほどの定食屋バイトをまだ続けていたので、彼がバイトで練習に来れない日でも私と愛大は二人だけで会ってやれるところは練習したし、私一人で愛大の家に泊まりに行くこともあった。