空を祈る紙ヒコーキ


 私達一年メンバーの心配は杞憂に終わった。

「その件は大丈夫。前年度までの部活で成果出してるし、性質上軽音楽部は特別扱いされてるんだ」

 空が言った。

「生徒会長が軽音楽部の部長をやる。それがメンバー不足でも活動を続けさせてもらうための条件」

「だから空は生徒会長に?」

「そう。てわけで、二人は入部届書いて出して。紙は明日学校で渡すから。明日からよろしくな!」

「よかった〜! これで活動できないとか言われたら生殺しでしたよマジで」

 百パーセント安心する愛大を見て空はごめんごめんと謝っていた。部活ができるなら私も安心だけど愛大ほど手放しで喜べなかった。安心感の中にほんの少しの違和感を覚えたからだ。

 空には夢があるのに、生徒会長と兼任してまで軽音楽部に留まる理由は何だろう。分からない。普通は夢を叶えるためだけに時間を使うものじゃないの?

 軽音楽部の活動は、受験を控えた三年生でも秋の学祭が終わるまで退部が認められない。空は四大を希望しているわけだし、たまに休むとはいえ進学を目指す人にとって部活は受験勉強の妨げになるかもしれないのに。

 気にしすぎなのは私だけらしく、愛大と空は今後の話で盛り上がっていた。楽しそうな二人を見て私も気持ちを切り替えることにした。一度楽しむと決めたのだから迷わないようにしよう。