涙色花火




胸がくるしいよっ……。


翔陽ちゃんたすけてよぉ……っ!


また泣きはじめたみゆを、翼くんはぎゅっと強くだきしめる。


「結優奈っ……」


みゆをだきしめる翼くんの力が強くてくるしいのと、胸がぎゅっとしめつけられるくるしさのふたつがかさなって、よけいにくるしかった。


スッと、翼くんがみゆをだきしめるのをやめる。


そして、みゆをだきしめていた手を今度はみゆの肩においた瞬間、翼くんとみゆのくちびるがかさなった。


一瞬、なにがおきたのかわかんなかった。


だけどすぐに理解をして、翼くんの胸を思いきりおす。


「……やだっ……」


それだけ言うと、机の横にかけていたカバンを手にとって、いそいで教室をとびだす。


うしろからみゆをよぶ翼くんの声がしたけど、ふりかえらなかった。