すると、ガチャとドアが開く音がした。 陽斗くん!? 急いで玄関に向かう。 「陽斗くん、おかえ、り……って、何その格好!」 帰ってきた陽斗くんは怪我とかは何もなさそうだったが、びしょびしょに濡れていた。 「傘は!?朝持ってたよね!?」 急いで持ってきたタオルを渡そうとする。 だけど何も話さないし、タオルを受け取ろうともしない。 「……陽斗くん?」 ずっとうつむいたまま、何も喋らない。