「とりあえず、計って」

体温計を手渡す。

素直に受けとる司は、反省してくれてるのかな……


ピピ、ピピ、ピピ


表示されてる数字は38.5


「司、ちょっと無理じゃなくて大分無理でしょ?体辛い時は無理しちゃダメだよ」

司は体温計の表示を見て苦笑した。

「そうだな……今日は大人しく休むよ。桜は仕事だろ?俺は寝ておくし行っていいから」


司を一人にしておくのは心配だけど、私も仕事を休めないし……

とりあえず、看病セットだけ寝室に用意しておこう。

「何か食べれそう?食べれるなら食べてから市販薬飲んでおいてね。それと水分も取るようにね。寒気する?熱い?」

「桜、ありがと。ちょっとまだ寒いかな……」

「じゃぁ、毛布用意しておくね。早く帰るようにするからら、絶対無理はダメだよ?」

「…………わかった」

司の少し間のあいた返事は、あまり信用できなかったりする。

「私時間だからそろそろ行くね」

司はベッドから動かずだったけど、

「いってらっしゃい、頑張って」

いつもの挨拶をしてくれた。