二日後

章弘が
話しかけてきた


「おはよ」

「おはよう」


一週間ぶりの
会話だった

ココロから
ほっとした


「熱下がったん?」

「うん、下がった」

「ふーん」


心配してくれたの?
聞きたかったけど
聞けなった


「ごめんね」

「俺も蹴ってごめん」


章弘が謝る


きっとこれは
とんでもなく
珍しいこと

きっと
この学校で
あたし以外
聞いた事がないセリフ

だから余計に
うれしかった


蹴られた背中や
傷ついた手のひらより
ココロの方が
よっぽど痛かったから

その言葉で
あたしは
みるみる
癒されていくようだった


ごめんね
裏切ったりして

ごめんね
一人ぼっちにして