「そんなの分かってるさ!
聖羅に頼んだ時点で分かってる!!」
和也が大声で叫んだのを確認してから、キングは和也に念を押した…
「甘いな…
俺たちは、万が一、お前の妹の沙也の存在が、聖羅のマイナスになるようであれば、沙也さえも切るって言ってるんだ。
わかったか?!和也!」
キングは裏の現実を和也に突き付けた。
沙也も聖羅も、そして人体実験で苦しめられているこどもたち全員までもを助けようなんて考え自体が、そもそもおこがましいのだということを…
今か、明日か明後日か、必ず何かを選び、遺していくものが出てくる事を、教えてくれていた…
「わかってる…
わかってるよ…
沙也が沙也じゃなくなる前に、俺は沙也の命を終わらせてやりたい…
沙也の、“今”も“未来”も守ってもらいたいと思ってるわけじゃないんだ…」
そう言った所で、和也の意識は途切れた。
「キング?
珍しく迫力ありましたねぇ…」
「そうか?
…でも、時間もあまり無いからな…」
「あとは、クィーンとエースの持ち帰って来る情報を待ちますかい?」
「あぁ…そうしよう。」
そろそろ、この暗い暗い空間にも、朝の空気がどこからともなく流れ込んでくる時間だ…
作戦会議までの時間も、残りあと僅か…


