堕天使と呼ばれる女

「ふっ…ふふふ…

 ははは…

 擦っても、見える景色は変わんねえと思うがねぇ、兄ちゃん…」


和也たちをココへ連れてきた4人組の一人が、鼻で笑いながらそう言った。


「ココは俺らのテリトリー。

 関係無い奴らには、ビルの合間の吹き溜まりにしか見えない…
 でも、力を持つ者には見える…」


怪訝な表情を浮かべたままの和也に、おじさんはそう付け加えて説明してくれた。


「そして、俺たちを仕切ってる奴らがいる…


 まずは、兄ちゃんが信頼出来る人間かどうか、診察かな~」

「「「わははは!
   違いねえ!!」」」


「殺されないから、安心しなさい。」

と、スミレは言うものの、この空間の人間の視線は和也に釘付け…


『本気で帰りたいで~す!!』
と、心の中でとにかく叫んだ。