舞い散る桃蝶







椿「お、おいっ」


先「大丈夫じゃ…奴も妖類でな…治療なら
  奴の方がいいだろう。
  それより、あの子の身体の
  無数の傷はなんじゃ
  まるで拷問を受けた後のようじゃが?」


近「まさか!
  ここに来たときからこうでしたよ」




まぁあれほどの傷を見れば俺達がやったと
思われて当然か…
それに、あぁいうことは確かにやるしな…



椿「柚姫…勇桜はどうした?」


柚「ご、め…ハァハァ…守れ、なか…た…」


椿「安心しろ…必ず助けてやる…絶対」


柚「うん…」



安心したようにまた眠りにはいった柚姫を
そっと寝かせ、俺達の方を向き
頭を下げてきた。



椿「どうか…妹を頼みます…
  こいつは誰にも頼ろうとしないんです。
  弱いところを見せず、
  ずっと笑顔で涙を見せない

  俺でも…見たことがない…
  だけど、ここでなら柚姫も
  素直になれると思うんです…

  俺はここから一度離れます。
  その間…どうか…
  柚姫を守ってやってくださいっ

  柚姫はっ俺達狐の一族にとって
  光なんです!
  絶対…失いたくない…
  だから…どうか…お願いしますっ」



必死で頭を下げてくる椿月の隣で苦しそうに
魘されている柚姫…
こんなの見せられたら断れるもんも断れねぇ