佐「それ…その槍」
「正真正銘、貴方と同じもの…
言ったでしょ?私は佐之の子孫なんだって」
これは佐之の…原田佐之介が使っていた槍
私の家に代々受け継がれた物
正直、刀よりだったらこっちの方が
私にはしっくりくる。
「始めようか…」
これで勝てたら私は歴代最強になれる
別にそういうのはどうでもいいけど、
少しだけ、そういう夢を持ってもいいかな
土「始めっ」
先に動いたのは私だった。
槍の勝負は母さんとしかしたことがない
父は私が生まれてすぐ殺された。
だけど、その分母さんが愛してくれた。
それだけで良かったのに…
佐「そう言えば聞いてなかったな」
「何?」
佐「お前のその髪と瞳…生まれつきなのか」
「…私のもう一つの名前の由来は八重桜
儚く散りゆく桜の花…
私の髪はその色と同じ薄い桜色…瞳は藤色…
両親とも私と同じ…」
腰まであるこの髪を嫌いだと思う日はない。
ただ一つの両親と繋がっていられるもの
私が知ってることはそれだけだから
佐「八重桜…」
「桜は…好きだ」
そういったとたん周りにいた奴らは
顔を真っ赤にさせ、
私の事を見ていたが、風邪だろうか
そのとたん、私の身体の力がぬけ
目の前が真っ暗になった。
side柚姫 end

