舞い散る桃蝶









「嘘?新撰組であろう人達が
 目を見てもわからないと仰るか」





長州の奴等でもわかることが
この人たちにわからないはずない
言われるがままに何にも殺してきた
もう後戻りなんてできないほどに…





近「君は…人を殺したいのかい」




「っ、…」





そんなわけない…私達はそれなりに
やってこれていた
どこかで道を間違えてしまった…
それが、今のこの事態をうんだ





だけど、そんなの私にはわからない
大人の事情なんて理解したくない
だけど、それに従ってきたのは紛れもない
私自身なんだ…





「私には…人を殺したときの記憶が
 ありません…
 何も考えず、感じず、ただ1人の弟の為
 私は…他人を犠牲にしてきた」





何を犠牲にしようが私には勇桜だけだ
その考えしかあの頃の私にはなかった