舞い散る桃蝶




    side柚姫




私は勇桜とここまで来た
だけど、それは簡単にできる事じゃない
だから、私は桜姫様と約束したんだ。


必ず歴史を変えてみせるって…
桜姫様が愛してやまなかった新撰組を
守ってみせるって…



「佐之…もう大丈夫だから…話に行こう?」


佐「だけど…」


「まだ説明してないこともある」



私には時間がない
鬼から逃げるためにここまできた
だけど、いつ見つかるかなんてわからない
勇桜も見つけないといけない



佐「わかった…平助、皆を集めてくれねぇか」


平「おう!」


平助と呼ばれた人が出て行ってから
私はあることに気がついた。


「首飾り…」


佐「え?」


「私が持ってた小袋は…」


佐「それなら刀と槍?と一緒に土方さんが
  持ってるぜ?」



土方…確か昨日、近藤さんの隣に
座っていた人…
顔が鬼みたいで…だけど、綺麗な黒い髪に
紫色の瞳…


「土方さん…土方歳三…」


あれ…そういえば、桜姫様が
私にその人の話をしてくれていた