「ただ…いま…」

チャイムが鳴る5分前にはぎりぎり教室に帰れた。

「おかえり!由香。
やけに遅かったね〜」
「どしたの??
混んでた?」

ゆかりがお母さんみたい。
なんかものすごくホッとする。

「あたし…」
「って、ほんと…」
「男嫌いなんだね。
しゃべるのさえも。」


「由香…?」

心配そうに、聞いてくれる。

「男子としゃべったの?」

「さっき…
告白、された。」


「えっ??」
「誰に?」


「雪弥くん…」

「あの、一河くん?」

「うん。」

「そっか。
私はなんとも言ってあげられないけど、
由香はどうしたいの?」

「男嫌いは治したいけど、
断った。」