背番号6、最後の青春




屋根の下、菜乃ちゃんは必死に背伸びをして俺の頭にタオルを投げつけた。

「…真矢先輩、どうしたんですか?ずっとぼーっとしてましたけど」

目をそらしたまま尋ねる菜乃ちゃん。どうやら見られていたようだ。

本当に今日はぼーっとしていた。みんなには迷惑をかけたかもしれない。

でも、その理由を菜乃ちゃんに言うのにはためらいがあって、口ごもってしまった。


気まずい空気が流れ出す。長い沈黙にも、菜乃ちゃんは動じずどこかを見ていた。

俺が答えるのを待っているらしい。

答える気がない俺は困ってしまって、苦笑いをして誤魔化してみた。

それでも、菜乃ちゃんは俺の方を向いただけで何も言わなかった。

「…ちょっと、考え事してただけだから」

適当な言い訳をすると、菜乃ちゃんはやっと目をそらしてくれて「そうですか」と呟いた。

なんとか誤魔化せたかと安心していると、菜乃ちゃんはふと俺の前に立ちふさがった。