背番号6、最後の青春




目をそらして少し考えたあと、フルフルと首を横に振った。

「別に、悪くはないけど」

そう言って無理に笑うと、裕翔は「そうか」と言って練習に戻っていった。

…調子が悪くはないけど、ただ、悩み事が頭から離れなくて。

気持ちがむしゃくしゃして、髪をくしゃくしゃとかく。

少し頭を冷やそうと水道の方を向くと、ふと頭上から水が落ちてきた。

ポツリポツリと、地面にシミをつくっていく。

雨の匂いが鼻をかすめるものだから、土砂降りになるかもしれないことを悟る。

でも、自然と足は動かないまま、俺は立ち尽くしていた。

雨が、頬を首を腕をつたっていく。

だんだんと強くなっていく雨。陸空先輩の声がどこか遠くで響いている。

きっと、雨宿りをするように呼びかけているのだろうけど、俺は動かなかった。

どうしようもなく泣きたくなったのかもしれない。