背番号6、最後の青春




陸空先輩にだけに聞こえる声で言ったのは、休んだ嘘の理由が広まるのが嫌だったから。

なんとなく、嘘が広まるのって嫌だから。


陸空先輩は「そっかあ」と肩を落としてから、ふと顔を上げて俺を見た。

「あれ、弘也ってそんな視力悪かったっけ…?眼科行くほどじゃない気がするんだけど」

…どうやら陸空先輩も、弘也の視力の良さを知っているらしく気になったようだ。

弘也は視力が落ちてきたと言っていたけれど…。

「…目でも痛めたんじゃないですか?」

適当にそんな言い訳をしておいた。

陸空先輩は納得した様子で、そっかと呟いてみんなに集合するように呼びかけた。


練習が始まる。

だけど、弘也のことが気になってどうしても集中できなかった。

…昨日病院に行って筋肉疲労だと言われたと言っていたけれど、本当は違うんじゃないだろうか。