「会っても、いいですか」
恐る恐る、でもハッキリと俺は弘也のお母さんに尋ねた。
弘也のお母さんは驚いて少し悩んでから、「いいけど…」と曖昧な答え方をした。
俺はその返事を聞いてから、弘也の部屋の扉をそっと開けた。
真っ先に、敷かれた布団の上に寝そべる弘也と、きれいに整えられた室内が目に入った。
入院した頃から片付けをしておいたのだろう。いつもは汚い弘也の部屋がきれいになっている。
布団に寝かせられた弘也は今にも目を開きそうで、起き上がりそうで。
本当に、眠っているようだった。
起き上がって、「真矢おはよう!」とでも笑いかけてきそうだ。
そんな弘也の冷たい頬を撫でて、
「おやすみ弘也」
そっと呟いて弘也の部屋をあとにした。
「あら、もういいの?」
首を傾げる弘也のお母さんに、大丈夫ですと笑いかけた。


