背番号6、最後の青春




「会っても、いいですか」

恐る恐る、でもハッキリと俺は弘也のお母さんに尋ねた。

弘也のお母さんは驚いて少し悩んでから、「いいけど…」と曖昧な答え方をした。

俺はその返事を聞いてから、弘也の部屋の扉をそっと開けた。

真っ先に、敷かれた布団の上に寝そべる弘也と、きれいに整えられた室内が目に入った。

入院した頃から片付けをしておいたのだろう。いつもは汚い弘也の部屋がきれいになっている。

布団に寝かせられた弘也は今にも目を開きそうで、起き上がりそうで。

本当に、眠っているようだった。

起き上がって、「真矢おはよう!」とでも笑いかけてきそうだ。

そんな弘也の冷たい頬を撫でて、

「おやすみ弘也」

そっと呟いて弘也の部屋をあとにした。

「あら、もういいの?」

首を傾げる弘也のお母さんに、大丈夫ですと笑いかけた。