背番号6、最後の青春




『ああ、真矢くん…?』

弘也のお母さんの、かすれて震える声が耳に届いた。

「弘也のお母さん…ですよね?」

確認する意味などないと分かっていながら、心のどこかにある期待がそうさせた。

そうじゃなかったなら、安心してぐっすり眠れそうだ。

だけど、

『ええ』

電話越しに聞こえてきた、ハッキリとした回答。心臓の音がうるさくなる。

どうかしましたかとは聞けなかった。弘也のお母さんが話し始めるまで待っていた。

『…こんな夜遅くに、ごめんねぇ。真矢くんには、1番に電話したくて…。


弘也、いっちゃった。それだけ、先に知らせておきたくて…』

1番に、知らせてくれたんだ。親友の俺に1番に知らせてくれたことが嬉しかった。

でも、知らせは決して喜ばしいものではなくて、気付けば視界が滲み涙があふれていた。

「あの、明日、朝、そちらに伺ってもいいですか?」

精一杯声を絞り出し言葉を紡ぐ。