また上半身だけ起こした弘也を、俺は黙ってそっと抱きしめた。
今までよりもずっと力がなくなっていて、軽く、俺にもたれかかってきた。
「…また、戦いてえよ」
震えた声と悲痛な心の叫びを、そうだなと言って受け止めることしかできない。
それがたまらなく悔しかったけれど、それしかできないのだから仕方ない。
俺には、弘也を治すことなんてできないし、こうして慰めることしかできないし。
「待ってるから」
ただ、それだけは口にしたくて、震える唇でなんとか言葉を紡ぐ。
それをきっかけに、俺の頬にも涙が伝った。
もうすぐ来る別れを、再認識させられる弘也の力の弱さ、その涙。
どうして弘也がと問いかけても、誰も答えてくれないしなんともできない。
ただ、別れを受け止めることしかできない。
それからしばらくして、弘也はぐったりとして、規則正しい寝息を立て始めた。
「…泣き疲れたのかな」
前よりも軽くなった弘也を、ゆっくりとベッドに寝かせた俺は、音もたてずにその場を去った。


