扉を開けると、弘也と花恋ちゃんの他に、菜乃ちゃんまで来ていたらしい。
菜乃ちゃんは先程まで俺のいた席に座りながら、難しそうな顔をして2人の手元を見ていた。
…そうか。菜乃ちゃんは年下だから、俺らのやってる勉強は少し小難しいんだ。
「あ、真矢先輩。すごいですね、弘也先輩って意外と頭いいんですよ」
驚きましたなんて言う菜乃ちゃんに思わず笑うと、弘也は失礼なっと言ってそっぽを向いた。
それからこちらをチラッと見て、
「それで、2週間後の夏の大会は行けそうだった…?」
恐る恐るという感じで問いかけてきた。
俺はそれに対して悪かったなと言いたげな表情をしてから、
「2週間後はさ、ちょっと看護師さんも先生も忙しいらしくて無理なんだとよ。
だから、1週間のうちに行ける外出先にしてくれ、だとさ」
そう、思いついた言い訳で乗り切った。
弘也は信じてくれたらしく、それは仕方ないなと落胆していた。


