椅子から立ち上がり、下唇を噛んで涙をこらえ先生を見る。
「先生は、弘也が1日でも長く生きられることを願っているんですよね」
だからきっと、危ないと思われる2週間後には外出させず、1週間のうちに済ませたい。
だけどそんなに慌てるなら初めから外出なんてしなければいい。
けれど、先生はただ生きることだけを願っているわけではないはずだ。
「そうだね。1日でも長く“シアワセ”生きられることを願ってるよ」
そうだ、弘也が幸せに笑っていられることを願っているんだ。
俺は思い切り笑みを浮かべて、先生に笑いかける。
「先生、大丈夫ですよ。弘也は俺が幸せにしますから。いっぱい、笑わせますから」
そう宣言をする。先生は嬉しそうにニコリと笑ってそうかと呟いた。
それから、ペコッとお辞儀をしてからその部屋を出て弘也のもとに向かった。
涙を、こらえて。


