背番号6、最後の青春




椅子から立ち上がり、下唇を噛んで涙をこらえ先生を見る。

「先生は、弘也が1日でも長く生きられることを願っているんですよね」

だからきっと、危ないと思われる2週間後には外出させず、1週間のうちに済ませたい。

だけどそんなに慌てるなら初めから外出なんてしなければいい。

けれど、先生はただ生きることだけを願っているわけではないはずだ。

「そうだね。1日でも長く“シアワセ”生きられることを願ってるよ」

そうだ、弘也が幸せに笑っていられることを願っているんだ。

俺は思い切り笑みを浮かべて、先生に笑いかける。

「先生、大丈夫ですよ。弘也は俺が幸せにしますから。いっぱい、笑わせますから」

そう宣言をする。先生は嬉しそうにニコリと笑ってそうかと呟いた。

それから、ペコッとお辞儀をしてからその部屋を出て弘也のもとに向かった。

涙を、こらえて。