背番号6、最後の青春




確かにサイドハーフの判断も遅かった気がするが、弘也にしてはパスの威力も少なかったし出すのも遅かった。

それにさっきから、ボールが外に出るたびに少し左のももを上げているようだ。

…足を痛めた時などに弘也がやるクセだ。

多分それは俺しか知らないし、本人も自覚がないためハッキリそうだとは言えないが、

もしかしたら何かあって足を痛めたのかもしれない。

…なんて、俺の杞憂ならいいんだけどな。

本人も何も言わないし、周りも気付いていないようだし。


「真矢先輩?どうかしました?」

菜乃ちゃんに声をかけられてハッとする。

どうやら考え込んでしまっていたらしい。

「何でもない」と首を横に振りフィールドの方に目をやると、やはりほんの少し足を引きずっているような気がした。

…そう見えるのは俺だけだろうか。

「なあ、弘也の様子、なんかおかしいと思わない?」

一応そう菜乃ちゃんに聞いてみることにした。