背番号6、最後の青春




椅子に座るように促され、椅子に座って先生と向かい合う。

膝の上においた拳をぎゅっと握りしめながら、先生の方をジッと見つめた。

「弘也くんのお母さんからお願いされて、本人にはまだ言ってないんだけど…」

言いにくそうにそう言った先生が、俺から目をそらしたあと、もう一度俺と目を合わせる。



「…余命、3週間、なんだ」

心臓が、ドクリと嫌な音を立てた。

…3週間?余命が、弘也の?…頭が、ついていかない。

その言葉を飲み込めないまま、あははと乾いた笑い声がこぼれる。

「先生、やめてくださいよ、そんな冗談…、笑えないですよ、ははっ」

口元だけに引きつった笑みを貼り付けているけれど、目だけは笑えない。

「…そんな悪い冗談、言うわけないだろう…」

先生はスッと俺から目をそらす。先生の握りしめた拳も震えている。

わかっている。冗談なんかじゃないとわかっている。

わかっているから、嘘だと思いたいんだ。