背番号6、最後の青春




それで、と聞いてくる先生に、早く言いたい興奮を抑えながら笑いかける。

「あの、2週間後にある夏の大会なんですけど。会場はここから少し遠いんですが、ダメですか?」

ジッと先生を見つめながら尋ねると、先生は一瞬苦い顔をした。

それは、と言いたげな顔に、嫌な予感が腹から這い上がってくるようだ。


「ごめん、伝え忘れてたが、1週間のうちに行けるところにしてほしい。

2週間後は、少し無理だ」

申し訳なさそうな顔をしながら呟いた先生の言葉に耳を疑った。

…1週間のうちに?2週間後は無理?

ぞわぞわと背筋を伝う嫌な予感に、心臓の音がだんだんとうるさくなっていく。

「どうして、ですか?」

そう尋ねる声はもう震えてしまっていた。

先生は周りを見渡したあと、あとをついてくるように言って歩き出した。

きっと、みんながいるここでは話しにくいのだろう。

たどり着いた先は、おそらく先生と患者とで話をするような、そんな部屋だった。

壁に広がるクリーム色が、少しだけ気持ちを和らげてくれる。