それで、と聞いてくる先生に、早く言いたい興奮を抑えながら笑いかける。
「あの、2週間後にある夏の大会なんですけど。会場はここから少し遠いんですが、ダメですか?」
ジッと先生を見つめながら尋ねると、先生は一瞬苦い顔をした。
それは、と言いたげな顔に、嫌な予感が腹から這い上がってくるようだ。
「ごめん、伝え忘れてたが、1週間のうちに行けるところにしてほしい。
2週間後は、少し無理だ」
申し訳なさそうな顔をしながら呟いた先生の言葉に耳を疑った。
…1週間のうちに?2週間後は無理?
ぞわぞわと背筋を伝う嫌な予感に、心臓の音がだんだんとうるさくなっていく。
「どうして、ですか?」
そう尋ねる声はもう震えてしまっていた。
先生は周りを見渡したあと、あとをついてくるように言って歩き出した。
きっと、みんながいるここでは話しにくいのだろう。
たどり着いた先は、おそらく先生と患者とで話をするような、そんな部屋だった。
壁に広がるクリーム色が、少しだけ気持ちを和らげてくれる。


