俺は椅子から立ち上がると、一つ小さくため息をついてから笑顔を浮かべた。
「俺が先生に聞いてきてやるから、花恋ちゃんと仲良くしとけよ」
ふっと笑ってそう言うと、弘也がほんのりと頬を染めて目をそらした。
花恋ちゃんはというと、顔を赤くしながら俺の足を軽く蹴ってきた。
まったく、微笑ましい奴ら。
クスッと笑ってから病室を出て、ナースステーションの方に向かう。
むやみに探すより、看護師さんに聞いたほうが早く見つかるだろうし声をかけやすい。
ナースステーションにはいくらかの看護師さんがいて、せっせと仕事をしていた。
「あの、すいません…」
資料みたいなのを整理していて少し話しかけにくかったが、思い切って声をかけてみる。
数名こちらを振り返る中、とある人が俺を見て「あら」と声を上げた。
どこかで見たことのあるその人は、弘也の担当の看護師さんだった。


