「なんでそんなに知りたいの?」
少しだけ呆れ気味に聞くと、ふと菜乃ちゃんは思考を停止させてしまった。
それから、なんでだろうと首を傾げて考え始める。
電車が来る。とりあえずと電車に乗り込む。
「えっと、なんででしょう…。わたしが真矢先輩のこと気になってるから…とか?」
…え?ん?聞き間違いじゃ…ないよね?
顔が熱を帯びていくのを感じながら、なんて答えようか迷っていると、
菜乃ちゃんがやっと自分の言ったことの意味を理解したらしく顔を赤くする。
「え、いや、今のなしです!忘れてください!あ、ほら、駅着いたでしょ!さよなら!」
ちょうどよく開いた扉から俺を無理やり追い出すと、菜乃ちゃんは顔を赤くしたままそっぽを向いてしまった。
扉が閉まる直前、このまま気まずくなって話せなくなるくらいならと、思い切って手を振る。
「俺は、菜乃ちゃんのこと好きだよ」
ニコッと笑顔でそう言うと、さらに顔を赤くした菜乃ちゃんが、
「ま、真矢先輩の馬鹿!」
なんて言ってそっぽを向いた。
だけど扉が閉まってしまってから少しだけ名残惜しそうに俺を見ると、思い切り笑顔で手を振ってくれた。


