背番号6、最後の青春




左肩を抑えながらそう言うと、女子たちはキョトンとして互いの顔を見合わせた。

それにしても、思い出すだけでも左肩が痛むようだ。

まあ、その痛みのおかげで弘也はほぼほぼ無傷だったわけだが。

「え、じゃあ、弘也くんだけじゃなくて真矢くんも落ちたの…?」

遠慮気味に聞いてくる女子の言葉に素直に頷いた。

「あいつドジだからさ、階段で躓きやがって、腕掴んだら俺もそのまま」

痛かったと笑うと、自己解決したのか女子たちはささっと帰っていった。

…嵐が去ったみたいに一気に静かになるクラス。

それからまた徐々に騒がしくなっていき、みんなの声が教室を包んだ。

俺はそんな中、まだ廊下からちらほらと冷たい目を浴びせられながら本でも読んだ。

本の内容など頭には入らなかった。

ただ、いつものように廊下で馬鹿やる相手がいないものだから、暇でしょうがないのだ。

今すぐにでも廊下から俺を呼ぶ声が聞こえてきそうなのに、なんにも聞こえてこなかった。