背番号6、最後の青春




近すぎることも問題だが、流れているという噂とやらについては大問題だ。

俺が、弘也を突き落としただなんて、そんなことを言われているなんて。

「真矢先輩!落としたはずないとは信じてますが、実際のところ階段から落ちはしたんですか?」

そう言われて急いで記憶の糸をたどる。

…あー、確か弘也が病院に行った頃に一度落ちたことがあったっけ。

結局支えきれずに俺も落ちてしまったけれど。

「落ちたよ、俺と。あいつが足引っ掛けて落ちそうになったの支えようとしたんだけど、手を出すのが遅くて俺も落ちちゃってさ」

かっこ悪いよなと笑うと、そういうことかと菜乃ちゃんが納得した。

…納得してくれたようなら良かった良かった。

「なるほど、それを見た誰かが勘違いしていったということですかね。

…よく分からないですけど、今日はそれが聞きたかっただけなのでそろそろ帰りますね」

菜乃ちゃんはそれだけ言うと、アイスか何かを買ってコンビニから出て行った。