背番号6、最後の青春




その間、弘也と何を話していたのか、特に覚えてはいなかった。

多分、軽く1時間はあったと思う。

お腹空いたなとか、どこで飯食うとか、そういう話ばかりだった気がする。

ただ、たわいない話ばかりなのが逆にいつも通り時が流れているようで安心できた。

ほら、弘也はいつも通りだと。

弘也の入院は俺にとってあまりにも重すぎて信じがたかったのかもしれない。

いつも側にいたやつがいなくなることに、ただならぬ不安を感じて過ごしていた。

病院と学校に離れ離れの10時間は、あまりにも長すぎたのかもしれない。

1人というよりは、弘也がいないことに不安を感じていたのだろう。

家に行けばひょこっと顔を出して、相変わらずやんちゃな笑みで俺を出迎えてくれる。

そんな、弘也がいないことに対する不安だとか寂しさだとか。

それを忘れるのには、ちょうど良い1時間だった。

ぐんぐんと走る車は、やがて遠方に青空を写す広い海を捉えた。

そこに向かって走り続ける。