同室の花恋ちゃんは、俺らが出て行くのをじっくりと見守ったあと、出て行く間際に寝たふりをした。
宣言どおり、気持ちがいいくらい俺らのこと無視して寝てしまった。
音を立てないようにゆっくりゆっくりと車椅子を運んでいく。
俺のお母さんには、遠くの友達と遊ぶと適当なことを言っておいた。
車椅子の運転は慣れず、結局は弘也が運転をし始める。
俺が足音さえ気を付ければほとんど音はしなかった。
ちなみにタクシーは病院から少し離れたところに呼んでおいた。
さすが俺、準備がいい。
裏口から作戦どおりに出て、弘也に上着を着せてタクシーを呼んだ場所に急ぐ。
こうもあっさり抜け出せるものなのか。
車椅子はたたむことができるため、後部座席になんとか乗せてもらった。
そして、ここから1番近い海へと、タクシーを走らせてもらう。


