背番号6、最後の青春




同室の花恋ちゃんは、俺らが出て行くのをじっくりと見守ったあと、出て行く間際に寝たふりをした。

宣言どおり、気持ちがいいくらい俺らのこと無視して寝てしまった。

音を立てないようにゆっくりゆっくりと車椅子を運んでいく。

俺のお母さんには、遠くの友達と遊ぶと適当なことを言っておいた。

車椅子の運転は慣れず、結局は弘也が運転をし始める。

俺が足音さえ気を付ければほとんど音はしなかった。


ちなみにタクシーは病院から少し離れたところに呼んでおいた。

さすが俺、準備がいい。

裏口から作戦どおりに出て、弘也に上着を着せてタクシーを呼んだ場所に急ぐ。

こうもあっさり抜け出せるものなのか。

車椅子はたたむことができるため、後部座席になんとか乗せてもらった。

そして、ここから1番近い海へと、タクシーを走らせてもらう。