背番号6、最後の青春




可愛らしく気だるげな少女の声だ。

声の主を見た弘也は、驚いた様子で目を見開いてその子を見ていた。

「か、花恋ちゃん…?」

胸までの長さの髪をふわりと揺らす少女の名前を、そう弘也が呼んだ。

花恋と呼ばれた少女はふんっとそっぽを向いて、自分のベッドの方に戻っていった。

「そのかわり、」

明るい茶色の髪を日に照らしてさらに明るくしながら、俺らを睨み付ける。

「私は寝てたフリするから。責任はとらないからね!」

ベッドに乗り、それだけ言ってから布団にもぐってしまった。

それを見届けて弘也と顔を合わせて、思わず笑った。

いきなりなんだったのかは分からないが、いい情報をもらった。

「朝早くかあ…。真矢、朝の6時くらいに来れる?」

首を傾げる弘也に、少し考えてから頷いた。

となると、家を出るのは5時半頃になるわけだ。

朝ごはんはコンビニなどで買えばいいだろうし、お母さんには適当な言い訳をしておけばいいだろう。