可愛らしく気だるげな少女の声だ。
声の主を見た弘也は、驚いた様子で目を見開いてその子を見ていた。
「か、花恋ちゃん…?」
胸までの長さの髪をふわりと揺らす少女の名前を、そう弘也が呼んだ。
花恋と呼ばれた少女はふんっとそっぽを向いて、自分のベッドの方に戻っていった。
「そのかわり、」
明るい茶色の髪を日に照らしてさらに明るくしながら、俺らを睨み付ける。
「私は寝てたフリするから。責任はとらないからね!」
ベッドに乗り、それだけ言ってから布団にもぐってしまった。
それを見届けて弘也と顔を合わせて、思わず笑った。
いきなりなんだったのかは分からないが、いい情報をもらった。
「朝早くかあ…。真矢、朝の6時くらいに来れる?」
首を傾げる弘也に、少し考えてから頷いた。
となると、家を出るのは5時半頃になるわけだ。
朝ごはんはコンビニなどで買えばいいだろうし、お母さんには適当な言い訳をしておけばいいだろう。


