先生は優しくどこか切ないような表情をして俺を見ると、
「病気はね、治る治らないじゃないんだ。治すか治さないかなんだよ。
だから、今の段階ではなんとも言えないんだ」
ごめんなと付け足しながら、そう言って申し訳なさそうにどこかを見た。
…治すか治さないか。
要するに先生が言いたいのは、弘也が治るかどうかは“入院するかしないか”にかかっている、ということか。
弘也の方を見る。悲しそうな横顔にズキズキと胸が傷んだ。
とりあえずそれから、がんセンターへの招待状などいろいろと説明を受けた。
終始、弘也はなんだか気まずそうな顔をしていた。
お母さんに申し訳ないのだろう。
きっと、優しい弘也のことだから。


